「何か食べなきゃね」
体調を崩したりしたら意味がない。
私は体を起こしてキッチンへ向かった。

病院の帰りに食料を買ってきた。

幸い私のつわりはかなり軽いほうで、時々朝がつらいことがあっても、映画やドラマで観るような吐き気を感じることはなかった。
ただ、いつも以上に眠く、いつの間にか眠ってしまうことはあった。

冷蔵庫を開けて、買ってきたばかりの食材を見つめる。
体にいいもの。栄養のあるもの。
すぐに食べられるもの。

私なりに雅をサポートしたいと決めてからあれこれ独学で勉強した。
その成果を発揮できる。

本当は食欲なんてまだわかないけれど、私は食材の中からトマトを出して水で洗い始めた。