きっと大丈夫だと言い聞かせる。
心の中で、お腹の子にも言い聞かせる。

だって雅の子だもの。
大丈夫。

この世に産まれてくれれば、たくましく生きていける。

あなたのパパはね、幼くして両親を亡くしてからも一生懸命勉強をして外科医としてたくさんの命を救ってる。

いつの日か、ふと思ったことがあるの。

あなたのパパは決して大口を開けて笑ったり、大きな声を出して怒るような人ではないけれど、心の中に誰よりも熱い想いを持っている。
自分ではないほかの誰かの痛みを自分の痛みのように感じたり、この人を救うって強い信念をもって目の前の人を助けている。

それはもしかしたら幼いころに亡くした両親を救えなかったことが関係しているんじゃないかと思ったことがあった。