愛してしまったので離婚してください

1年前から私たちは体を重ねるようになった。

言葉をあまり交わさない私たち。
でも、体を重ねている時間だけはお互いの感情が自然と心に流れ込んでくるように感じていた。

この夜が永遠に続けばいい・・・

そう願いながら私は耳元で聞こえる雅の息遣いと、いつもよりも荒々しく私に感情をぶつけてくるような雅の熱い背中に手をまわした。

流れる涙に気づかれないように、雅の汗ばむ胸に顔を埋める。

雅の鼓動が全身に響く。
雅の体温が私にうつる。

愛してる。
愛してる。

愛してる・・・

言葉にできない想いを心で何度も繰り返しながら私はあふれる涙をとめられなかった。