「・・・はぁ・・」
雅はもう一度深いため息をついた。

静かな部屋に雅のため息だけが響く。

「ごめんなさい・・・」
こんなんじゃ、家に戻ってきたときだけでもくつろいでほしいなんて、できるわけない。
妻として失格だ。

私はソファの横に立ったまま、雅に告げた。

「別に謝ってほしいわけじゃない。」
そう言っている雅の表情は明らかにくもっている。

「俺は晶に」
何かを言いかけた雅。でも鳴り出した雅の携帯電話に話を遮られる。

結局雅は私が用意したコーヒーもほとんど口をつけずに病院に戻ることになった。