雅は私の回復を考えて、お腹にあまり傷跡が残らないように術創を最小限にしてくれた。
見た目は帝王切開のあとしかないように見える。

一カ月ほどで傷口は完全にふさがったことを告げられ、そこから地獄のリハビリがはじまった。

「痛いだろうけど、頑張れ。」
「・・・」
わかってるけど・・・痛すぎる。

私が頬を膨らませると、明らかに嬉しそうに微笑む雅。

「なんでうれしそうなの?私が痛いのがうれしいの?」
「違うよ」
シートベルトをした私の前に、運転席から身を乗り出して私に顔を近付ける雅。

その距離に今でもどきどきする。