愛してしまったので離婚してください

手術を翌日に控えて、入院をした初日は医師からの説明と検査で終わった。

お腹の赤ちゃんは何も知らずに元気に動いている。

「ごめんね、あなたのタイミングで産んであげられなくて。ママの都合で早く産んで、ごめんね。」
病院の夜は早い。

夕方には食事もシャワーも終えて、私はベッドに横になっていた。

雅は翌日に備えて、準備をしているらしく、もう少ししてから私の病室に来て、そこで今夜は仮眠をとる予定だとメールが来た。

一人の病室。

私は無機質な病院の天井を見つめながらお腹の赤ちゃんに話しかけていた。