愛してしまったので離婚してください

「最高。これでドライブに行けたらもっと最高だったけど。」
「そうだな。大丈夫。行ける。必ず連れてく。約束する。」
微笑みながら私の頭を撫でる雅。
その言葉は私への言葉だけじゃなくて、どこか雅自身の願掛けのようにも感じた。

「行こうか」
運転席に座った雅をふと見つめる。

「寝ててもいいよ？すぐ着くけど。」
確かに。私たちが住んでいる家から病院までは車で5分。
「うん」
「・・・」
雅を見つめている私の方をちらりとみた雅は「大丈夫」と何度も言って、私の手を握っていてくれた。

その手はいつものように温かくて、熱いくらいで、緊張で冷えていた私の手に熱を与えてくれた。