愛してしまったので離婚してください

「お腹、張ってるな。」
お腹が目立つようになってから、お腹が張るという感覚を知った私。
仕事で長時間同じ体制でいるだけでお腹が張ったり、キッチンに立っている時間が長くなると腰回りがだるくなることはあった。

「直接触ってもいいか?」
雅の言葉に私が頷くと、雅は部屋の明かりをつけて、私の体をベッドに横たえ自分の手をこすり合わせて温めた。
「触るぞ?」
「・・・うん」
服の中に雅の手が入り、雅は真っ先に私の腫瘍のある場所に触れる。
一発で腫瘍のある位置に触れる雅はそれだけ日ごろから私の状態を把握しようと触れているからだ。
「熱を持ってる。体温計持ってくるから、待ってて。」
至って冷静な雅。
私の服を直して、お腹に毛布を掛けてからベッドを離れる。

毎日仕事で忙しい雅。なるべく寝かせてあげたいのに。そんな思いと、自分の体に感じる初めての違和感に不安が膨らむ。