愛してしまったので離婚してください

「17週目だもんな。そろそろ、ぐんぐんとお腹出てくるぞ?」
「うん」
「晶」
「ん?」
「愛してる。」
私たちは見つめ合い、口づけを交わした。

この時間が永遠に続けばいい。

お腹に腫瘍さえなければ、もっともっと・・・違った今の私たちがいるはずなのに。


お腹に触れたときに明らかに感じるのは腫瘍の存在。
自分で触れてもわかる大きさの腫瘍は、妊娠しているお腹の膨らみよりも目立っている。

雅は私のお腹に触れて赤ちゃんに話しかけながらも、そっと腫瘍の状態を把握しようとしていることを私は知っていた。