愛してしまったので離婚してください

雅は午前、昼、夕方に連絡をくれた。

いざ、雅から着信が来て気づいたのは私たちは電話で話をしたことがないに等しいということ。

画面をスライドさせて通話を開始するものの、お互いに今更照れてしまって言葉が続かない。

食事はとったかとか、体調はどうかなとか、雅もありきたりなことしか言えないくらい緊張しているようで、余計に照れ臭くなる。

とうとう夕方の電話の時に、雅が『電話って、恥ずかしすぎるな。これ。慣れない。』とつぶやいた。

私も同じだ。

思わずふっと笑う私に、『なるべく早く帰る』と告げた雅は有言実行で、7時前には帰宅してくれた。