愛してしまったので離婚してください

早起きして、私が朝食を作るべきなのに。
今日から院長として勤務する雅。きっと緊張しているはずだ。
仕事だってわからないこともたくさんあって大変なはずだ。

明日からはちゃんと奥さんらしいことをしようと、私は心に誓いながら雅が作ってくれた朝食を口にした。

いつまで、何をしてあげられるかわからない。

そんな想いが心のどこかで私を焦らせる。


そっとお腹に手をあてる。
『大丈夫』
雅の言葉を思いだす。

きっとあなたのパパが守ってくれる。
お腹の子に伝わるように私は深呼吸をしながら、心を落ち着けることに専念した。