走って戻ってきた雅に、私の緊張がなぜか少しほぐれた。

「ごめん!体調悪いのに。」
手先が器用でも、頭がよくて何をするにも要領がよくても、雅はどこか不器用な人だ。

こんな雅が私は大好きだ。

こんな不器用な雅を愛してる。

だからこそ・・・そばにいたい。支えたい。

生きたい。

「行こうか。」
車のカギを開けて、助手席のドアを開けた雅が私の方を見る。

「私・・・生きたい。」
「・・・ん?」