愛してしまったので離婚してください

スーパーで買い物をしてきてくれたり、食事も和食を中心に栄養価の高いものを用意してくれる雅。
妊娠している私に必要な栄養素を検索して、体に良いものを調理してくれたり、食材も選び方まで研究し始めている雅。
その行動の一つ一つが感動の連続で、雅がきっと良い父親になる想像がついた。

大きな喜びと幸せと同時に、考えないようにしていてもふと思ってしまう。

もしも私に何かがあっても、この子をきっと雅は守り育ててくれる。
愛情を注ぎ幸せに成長させてくれる。

これは安心できる事実ではあるけれど、同時に寂しさも感じた。

自分のいない未来を想像することがこんなにも苦しいことだとは思っていなかった。
心痛むことだと知らなかった。

そんな未来など、想像したこともなかったからだ。