愛してしまったので離婚してください

「そろそろ支度しようか」
雅の言葉に、体を起こす。
一睡もできなかった体はやけにだるい。
眠れていないことでむくみもひどく、頭も痛い。

「具合悪そうだな」
すぐに雅はカーテンを開けて、私の顔色をみる。
すっと瞼の裏や脈を調べる姿は医師の顔になっている。

「検査結果を聞いたら、すぐに帰って休もう。」
「・・・はい・・・」
返事をするのもやっとな私の姿に、雅はふっと微笑んだ。
これは私を安心させようと向けられている微笑みなのだろうと思いながら、私も何とか微笑みを返そうと試みる。

「無理しなくていい。ぎりぎりまで横になってたほうがいいな」
雅は私が無理して微笑んでいることにすぐに気が付き、私の頭をそっと撫でた。
背中に手を添えて布団に体を横にしてくれる。