愛してしまったので離婚してください

私の不安を和らげようとしているのか、雅は一緒にいる間、たくさん話をしてくれた。

ニューヨークでのことだけじゃない。
これまでは一度も聞かなかった雅の両親の話もしてくれた。

お父さんは子煩悩で何をしても怒らないような優しい人だったこと。
お母さんは教育ママで厳しかったらしいこと。

そして・・・

「俺が医者になろうと思ったのは、晶のお義父さんとの出会いがあったからなんだ。」
と検査結果が出る前夜に教えてくれた。

あまりの不安で、私が夜眠れずにいることに気づいた雅が子守歌代わりに話し出す。
「両親の事故が起きた日は、大きな工場で爆発事故があった日で、どこの病院も人であふれていた。」
雅は私に腕枕をしながら、髪を撫でて話し続ける。