背中から聞こえるのは宙くんの声なのに
本当に宙くんかな?って
後ろを向いた
宙くんの腕の中で
目が合った
真っ直ぐ私を見る宙くんがいた
吐いた息が上手く吸えなかった
それと同時に鼓動が高鳴った
そんなふうに
宙くんは私を想ってくれてたの?
「ごめん…
重かった?
だから、気にしなくていいから…」
「気にしないとか…
もぉ、無理だよ
…
気になるよ
…
でも、宙くんは
一生報われないかもしれないよ」
あの人を忘れる自信は
まだない
「うん、それでもいい
…
それくらい
晴夏が好き…
…
オレが勝手に好きなだけだから…
このままの関係でいい」
このままの関係
いつも私を優しく抱きしめてくれる
宙くん
彼はやっぱり
純粋で綺麗な恋愛しかできない人
真っ直ぐで誠実で素直
だから
傷付いてしまう
傷付けたのは
私
私は一生
宙くんを満たすことはできないかもしれない
それでも宙くんは
私を大切に想ってくれるの?
いつも寂しそうだったのは
私のせいだった?



