「帰ろうかな…」



「うん…
またお香焚くの?」



「ん?なんで…?」



「会いたくなったんでしょ」



「ん…」



自分が弱い人間みたいで

素直に頷けなかった



宙くんは

前に進んでるのに

私はいつまでも過去の恋愛引きずってる



もぉとっくにフラれてるのに

もぉいない人なのに

宙くんは

そんな私を許してくれてる



「帰るなら、駅まで送るよ」



「やっぱり、まだ帰んない」



「どーしたの?」



「ここにいたい」



宙くんといたいと思った



「うん、いいよ
ここにいて…」



宙くんが抱きしめてくれた



いつも優しい宙くんに甘えてしまう

ごめんね

宙くん



今日は

あの人の香りがしない



宙くんの腕は

今日も

優しい



宙くんは

今日も寂しい?