「晴さん、お土産買ってきたよ」
次の日
宙くんが来た
いつものお香だった
「京都行ってたの?」
「うん
そろそろ無くなる頃だったでしょ」
「うん、ありがとう」
「寂しかった?
また、焚いたの?」
「うん…」
宙くんがいつもみたいに
優しく抱きしめてくれた
寂しかった
会いたかった
会いたかったのは
あの人にだよね?
「宙くん…」
「ん…?」
優しく抱きしめてくれる宙くんは
いつもどこか少し寂しそうだった
「宙くんも、寂しいの?」
「ん…?んー…
…
うん…」
我慢してるみたいに言った
宙くんに
キスしたくなった
ーーー
先に触れたのは
私だった
「晴さん…」
私を呼ぶ宙くんの声が震えた
嫌だった?
「あ…ごめん…」
ーーーーー
返事は
キスで返ってきた
宙くんの唇は
優しくて…
寂しかった



