バタン…



玄関のドアが閉まる音がして

私の隣にあった熱が逃げた



宙くん

忘れ物



ベッドの横に置かれた小箱が見えた

ちゃんと持って帰ってよ



私はたぶん

宙くんが来ないと

もぉ使わないから…



私の身体から

宙くんの匂いがした



宙くんが触れたところが

ジーンて熱くなった



静かになった部屋

ひとりなんだ…私



実感する



あの人は

もぉ

いないよ



カラダからじゃなくても

あの人とした恋愛みたいに

本気になることなんて

これからないだろうな…



熱くなった身体が

冷めていくのがわかった