ハァハァ…ハァハァ…ハァハァ…



宙くん

かんばってくれてるんだ

そう思うと

かわいいな…って

下手でも愛おしくさえ感じた



愛おしく…

あの人に抱いた

愛してるっていう感情とは

ぜんぜん掛け離れてるけど



「晴さん…」



ハァハァ…ハァハァ…

ハァハァハァハァ…



私を上目遣いで見る彼の頬を撫でた


彼は微笑んで

私を抱いた



ハァハァ…ハァハァハァ…



肌が汗で熱く張り付く



気持ちがなくても

こんなふうになれる自分が不思議だった



あの人じゃなくても

よかったのかな?





宙くんの汗?

それとも私の?

あの人とこんな熱くなったのは

いつだったかな?

あったかな?



長く付き合ってたせいか

お互いの存在が当たり前で

ベッドで抱き合う時も穏やかだった



それでも

「愛してるよ…晴…」

何年経っても

あの人の優しい声で

胸が熱くなった



愛されてて

気持ちが繋がってて

気持ちがよかった



「晴さん…気持ち、いい?」



宙くんの声で我に返った



額に汗をかいた彼が目の前にいた



私のためにがんばってくれたんだ



「うん、気持ちいいよ」



彼の額の汗を拭ってあげた



今日は自分でゴムをつけて

彼は私と繋がった



今日は自分でちゃんと用意してくれた



「晴さん…好き…」



吐息に混じって

そう聞こえてきた



聞き間違え?

流れとか、決まり文句?

それとも礼儀?


私が彼に送った〔気持ちよかったよ〕

あのメッセージと同じ?


他の女の子の名前じゃなかったところは

合格



ハァハァハァハァ…



彼は激しく私の中で果てた