僕等はきっと、満たされない。


京都から手紙が届いた



『晴夏さん
こないだは遠うからお越しゅうださって
おおきに

うちの広報が撮った写真の中に
晴夏さんの素敵な写真を見つけたさかい
お送りします

あの人が最後に呼んだ名前は
晴夏さんの名前でした

病室に駆けつけたうちに
「幸せになってや…」
あの人はそう言いました

それから
「幸せだったよ…晴…」

晴夏さんに出会えたこと
晴夏さんと過ごした時間
きっとあの人にとって
素敵な季節でした

晴夏さんとの出会いに感謝してます
またいつでも遊びに来とぉくれやす

あの人も待ってます』



お香の香りのついた手紙と

1枚の写真



「晴夏、いい笑顔だね」



写真を見て宙が言った



宙と私が写った写真

宙の隣にいる私は笑ってた



「ちゃんと笑えてるよ、晴夏」



ちゃんと恋してる顔


私、宙に恋してる