僕等はきっと、満たされない。


「アイス好きなん?」



「うん、好き!
実家だと弟と妹がいて
アイスすぐなくなっちゃう
アイスだけじゃなくて
他にもいろいろ…
だから実家から出たの」



オレが実家から出た理由と違い過ぎて

少し笑えた



「おもろいな…
独り暮らしなん?」



「うん
だからアイス食べ放題!
家だと1日1人1個までっていう
変なルールあって…」



夢中で話す君がかわいかった



「かいらしいな」



「ん?
それさっきも言ったけど
意味わかんない」



「わからんでええで」



「え?なに?
日本語にしてよ!」



「アイス、とけんで」



「あー!もぉ…」



「もぉ1個食べたらええよ
いくつでも食べたらええよ」



「うん!次バニラにしよっかな…」



君の笑顔は

夏の暑さより

熱かった



君が笑うと

熱くなった



「君と冬も一緒におったら
温かいやろな…」



「ん?
ええよ!
うち、温かいで!ん?さかい?
雅、おもしろいね!」



君が笑った



「おもろいな」



オレも笑った



暑い夏も

寒い冬も

君とずっと一緒にいたいと思った