僕等はきっと、満たされない。


宙くんの予告通り

私は泣いた



文字が滲むくらい

あの人の手紙を抱きしめて



手紙から微かにあの人の香りがする気がした

温もりさえ感じた



手紙は

自分が亡くなることが
まるでわかっていたような書き方だった


私のことを心配してくれていた


ずっと私の事を

想ってくれていた


愛してくれていた



手紙は

私に届くことなく

あの人は亡くなった





ちゃんと

届いたよ



あなたの奥さんが見つけてくれた



奥さんは

どんな気持ちで

この手紙を読んだだろう



あなたのことを愛してたのかな?



あなたは奥さんのこと

愛してなかったの?



私に別れを告げる時

どんな気持ちだったかな?

私は自分のことしか考えてなかった



あなたの気持ちなんて

知る余地もなかった



あなたの事故を知って

奥さんの存在を知って

寂しかった



立ち上がれないくらい

泣いた



私よりも

ずっと

寂しくて辛い思いをしてたのは

あなただったかな?



最後まで

私を想ってくれて

ありがとう



私も

愛してた



誰よりも

強く



何よりも

大切だった