「んー,まぁでも包帯買ったの僕だし,僕が巻く権利あると思うんだけど。」


た,確かに。

「じゃ,納得したみたいなんで,僕が巻くね。」


「っっっ,先輩また心の中読んだ!!」


何で思ってることがすぐにわかっちゃうの?


「また顔に出てたよ。君,分かりやすすぎるよ?」


えぇっ。まーちゃんにも言われたし,この初めて会った先輩にも言われるって…。


って,



「先輩,巻くの早っ。」


「え,そう?普通だと思うけど。」


そんなことない!そんなことない!


「しかも何でそんなに早くてそんなに丁寧にできるのぉ~


 理不尽過ぎる,この世の中!!」


「っプハッ。相変わらず面白いねー君。」


また先輩笑ったし。


って,ン?


相変わらず?


どういう意味だろう……


「さて,んじゃあこの猫,どうする?」


「えっと,どうするって言うのは?」


「えっ,だってこのまま放置するわけにはいかないでしょ。

 貰い手見つけるにしても,保健所や動物愛護センターに預ける「それはダメです
 っ。」


思わず遮っちゃった。


「だって,そこに預けちゃったら殺されちゃうかもしれないですよね?」


「んー。そうなるのは,貰い手がいなくなった時だけだよ。それに最近ではそれを
 減らそうとする活動も増えてきてるし,すぐに殺されるわけでもなんだよ?」


でも,


「殺されちゃう子たちもいるって聞きました…。」

先輩はちょっとだけ考えるそぶりをして,


「……じゃあ,僕たちで貰い手を探す?」


と提案した。もちろん私は,


「っはい!」


賛成する。


「ありがとうございます!先輩」


私は,満面の笑みで先輩にお礼を言った。


「うーん,そこで不意打ちで来るかぁ。」


ん?なんか先輩がボソッとしゃべった気が…


「なんて言ったんですか?」


「…いや,何でもないよ。じゃあ貰い手が見つかるまでどこで保護しようか?」


あ,そっか。貰い手がすぐに見つかるわけじゃないからどこかで保護しないといけないのか。


だったら,


「私が保護します!」


私が面倒を見てあげればいい。