ひびき

なんかベタな少女漫画みたいだ。

・・・それでも、私はこのシチュエーション、嫌いじゃない。

紙飛行機はふわふわと、風に揺れて、彼の足元に着陸した。

崎村くんはそれを拾いあげて、目を通すと、軽く微笑んでくれた。

「それじゃあ!!」

走り去る彼の後ろ姿を見つめながら、

気持ちがほんわかするのを

ただただ私は感じていた。

「なんて書いたの!?ねぇねぇっ!!」

そんな亜由美さんの問い掛けに、私は照れ笑いをするしかなかった。

言えるもんか。

『こんにちは。
お見舞い行きます。
って聞いて嬉しかったです。本当に。
ただ、あなたに告げていない事がたくさんあるんです。
だからこの機会に、私の事知ってもらいたいんです。

それでは
楽しみにしてます。』

こんな恥ずかしい文章書いたなんて、

死んでも言えるもんか。