ひびき

日が真南にあがった。

「ありがとうございましたー!!」

彼の声が聞こえる。

優しい響き、
ーーーーーーーーーー大好き。

想えば想うほど、
あなたが好きになる。
知りたくなる。

もうあの黒髪の美女はいなくなっていた。

「見とれてるなぁー」

悪戯な笑顔を浮かべながら、亜由美さんが私の隣に腰掛ける。

ベットがギシリと軋んだ音を起てる。

いつもふらりとる亜由美さんはやってくる。

暇なのかな。

私は恥じる様子もなく、笑顔で頷いた。

堂々と。

「あ、どうもー!!」

崎村くんが私達に気付いて、窓の下辺りきてくれた。

「後でお見舞い行きますー!!」

ぶんぶんと勢いよく手を振りながら、私に話し掛けてくれる。

私ははにかみながらも、小さく手を振った。

亜由美さんが肘で小突いてくるのを避けながら、思い出した。

手紙!!

私はすでに折ってあった紙を窓から空に飛ばす。

紙飛行機。

私の想いを乗せて。