そのため、一直線に向かうことが出来た。
祭壇の上にはトーマ様と、トーマ様のお父上であるこの国の国王様が居る。わたくしは祭壇のひとつ手前でカーテシーをした。
「国王様、トーマ様、本日はわたくしの祝いのための席を設けて下さりありがとうございます」
本来なら、直ぐに「楽にせよ」と言われ、話ができるのだが、なぜかおふたりとも反応して下さらない。
どうして……?
わたくしはいけない事だと思いながらも、恐る恐る祭壇の上のおふたりを見上げた。
「――っ」
その顔を見て、思わず息を飲む。
突き刺さるような冷たい視線だ。
さっきまで祝いだと感じていた周りの視線も、同じように私の背中に冷たく突き刺さっている。
一体何が起きているの?
「レティシア・ウィルド、貴様にはこれまでの行いを償って貰う。私の慕うサラ・アルテニー嬢にした数々の行い――決して許されることではない。よって……私との婚約を破棄、その上国外追放とする」
「なっ……!?」



