その行動をしてしまったキッカケは、彼女がトーマの事を好きすぎたから。

だけど、そのいじめは決して許される内容ではなかった。


そして、リオの記憶の中でも、断罪されるシーンだけはもっと鮮明に記憶に刷り込まれていた。



「ウィルド侯爵家のレティシア様がいらっしゃいました」



会場の扉を守っている騎士がそう中に呼びかけると、会場に居た全員がわたくしに視線を向けた。


その視線全てが、わたくしを祝っているのだと思うと嬉しいく感じる。


これは、誕生日パーティーだ。

これでもかと言うくらいに着飾ったわたくしは、今日の主役。


通常のパーティーは、婚約者にエスコートされて会場に入るけれど、今回はわたくしが主役なので1番最後に登場して欲しいと言われている。

そのため、控え室からひとりで会場に向かった。


凛と正面を向き、わたくしは1番奥の祭壇に居るトーマ様の元へ優雅に歩きだす。

もちろん、周りにいた人達はサッとわたくしの通る道を作る。