お父様やお母様――、トーマ様と離れて国を出るのは少し寂しいけれど、これは仕方の無いこと……。この家ともお別れだ。


支度をしてくれたメイドにお礼を伝えて、お父様とお母様と一緒に我が家の馬車に乗り込んで王宮に向かった。



「レティもついに18歳になるのね……」


「レティが……取られてしまう」



しみじみとする両親。お父様の言葉はよく分からないけれど。



「お父様、お母様、今まで育ててくださってありがとうございました」



パーティーが始まったら、こんなにゆっくり話せる時間なんてきっと来ない。

だから、話せる今のうちに伝えたいことを伝えておく。


これはまだ口に出来ないけれど、親不孝者でごめんなさい……。



「レティはいつだって私たちの娘なのだから、これから辛いことがあったとしても、いつでも頼っていいのだからね?」


「は、い……ありがとうございます」



まるで、この後どうなるのか分かっているみたいだ。