悪役令嬢ですが、なぜか婚約者に溺愛されていて断罪されません!



だけど、我が家の使用人全員が誕生日パーティーの準備で駆り出されているため、今この部屋にはわたくしたち2人しか居ないのだ。

初めは専属メイドが居たけれど、彼女が1番準備で大変だから「行っていいよ」とトーマ様が言って下さった。


わたくしのことを嫌っているトーマ様には悪いけれど、パーティーが開かれることは絶対なため、この準備を避けることはできない。

だから彼女は「御用がある時はお呼びください」とだけ言って、準備に戻って行った。


正直、こんな展開になるなんて思っていなかったからわたくしも彼女に準備に戻る許可を出したけれど、それは間違いだったかもしれない。そう思ってももう遅い。


昨日もトーマ様は我が家に来てお茶会をしたばかりなのに、まさか連日で来るとは思って準備していなかった。

準備さえしていれば、メイドをひとりくらいはお茶会のために残しておくことは出来たはずだ。

これはわたくしのミスでもある。



「あ、あの」