それは、前から不思議に思っていたように、誰かに見せつけるわけでもないのに、こうして常に恋人みたいに過ごしたがるユタの気持ちだ。

単純に自分の欲を満たしたいだけの男なら、余程わかりやすかったと思う。

だけど、ユタの場合は違う。

人恋しいのだろうか?

本当は誰かを愛したくて…だけど、恋をするには色々としがらみが多すぎて、できないから、疑似恋愛をしたいのかな。

心の片隅で密かに、もしかしたらユタも私のことを好きなのだろうか…そんな淡い期待をしてしまっては、いつもすぐに打ち消した。

次期社長候補ということは一切関係なく、ユタは本当に素敵な青年に成長していたのだから、何も敢えて私を選ぶこともない。

ユタなら、どんな女の子でも選り取り見取りだ。

友達として好かれている自信ならあっても、恋愛対象となると…私には女としての魅力などないことぐらい、自分がいちばんわかっている。

どうしようもなく、悲しいぐらいに…。