残り少ない妊娠生活に寂しさを感じつつ、
もうすぐ産まれてくる赤ちゃんの事を楽しみに待ちわびていた恵から、昨日の涼からの電話と、この一通のメールによって頭の中の世界が180度変わったように感じた。

実家ではあくまで普通を装っていたが、きっと母親の目には普通には映っていなかったのだろう。

「恵、何かあったの?」

「何もないよ…」


 その後少し落ち着かせてから涼に電話をした。
メールの内容を全て伝えた。涼はすぐに否定した。

「は?そんな事あるわけが無い。ただの迷惑メールだろ」

 涼の攻撃的な言い方にますます不信感が増した。やっぱり何かおかしい。
おそらくこのメールは事実…
ただ、今の恵にはこれ以上聞き出そうとする勇気は無かった。