「お嬢様……」
アイリが小さな声で名前を呼ぶ。ロゼリエッタも無言で深く頷き返した。
この先のフロアにあるのは王族が私用に使う部屋ばかりだ。ロゼリエッタも入るのは初めてだった。そして――レミリアの護衛を務めるクロードがいた場所でもある。
廊下の両側には良く知る人物の案内なしでは戻れないような、一見しただけでは同じに見える扉が並んでいた。途中の角を何度か曲がり、侍女はようやく、一際立派な装飾の施された大きな扉の前で足を止める。
ノックに応え、内側から扉が音もなく開いた。
中央にテーブルセットの置かれただけの簡素な部屋には、三人の侍女が控えているだけだった。レミリアらしき姿はない。にわかにアイリが警戒を強める気配が背後から伝わって来る。
奥にはさらに扉があった。ならば、あの向こうにレミリアがいるのだろう。すると侍女はアイリへとソファを指し示した。
「殿下はロゼリエッタ様とお二人での面会をご希望されております。恐れ入りますがお付きの方はこちらで待機なさって下さいませ」
「それは、」
「いいのよ、アイリ」
アイリが小さな声で名前を呼ぶ。ロゼリエッタも無言で深く頷き返した。
この先のフロアにあるのは王族が私用に使う部屋ばかりだ。ロゼリエッタも入るのは初めてだった。そして――レミリアの護衛を務めるクロードがいた場所でもある。
廊下の両側には良く知る人物の案内なしでは戻れないような、一見しただけでは同じに見える扉が並んでいた。途中の角を何度か曲がり、侍女はようやく、一際立派な装飾の施された大きな扉の前で足を止める。
ノックに応え、内側から扉が音もなく開いた。
中央にテーブルセットの置かれただけの簡素な部屋には、三人の侍女が控えているだけだった。レミリアらしき姿はない。にわかにアイリが警戒を強める気配が背後から伝わって来る。
奥にはさらに扉があった。ならば、あの向こうにレミリアがいるのだろう。すると侍女はアイリへとソファを指し示した。
「殿下はロゼリエッタ様とお二人での面会をご希望されております。恐れ入りますがお付きの方はこちらで待機なさって下さいませ」
「それは、」
「いいのよ、アイリ」
