(私は、自分の無実を証明したら良いだけ)
そうしたら、結果的にクロードの無実も証明される。
ロゼリエッタの持つ切り札は、たった一枚だけ。その切り札が通用しなければそこで終わりだ。
だけど今、それを使って本当に大丈夫なのか。
でも、今でなければもう二度と使えない。
不安に揺れるもう一人の自分を叱咤し、ゆっくりと口を開く。
「根拠はございます。ですがその前に陛下へ一つ、ご確認をしてもよろしいでしょうか」
「確認?」
「はい。――陛下はいつ、わたくしが王太子殿下の暗殺を企んでいると知られたのでしょうか」
「すまぬが、そなたの質問の意図が分からぬ。マーガス王太子暗殺の嫌疑をかけられているのは、クロード・グランハイムと聞き及んでおる」
そう言って王は判決を下す貴族たちに目を向けた。
彼らもまた事態が飲み込めてはいないようだ。小声でいくつかのやりとりを交わし、先程罪状を読み上げた貴族が代表するように答える。
「こちらにも――ロゼリエッタ・カルヴァネス嬢の話は入ってはおりません」
王は頷き、ロゼリエッタに視線を戻す。
そうしたら、結果的にクロードの無実も証明される。
ロゼリエッタの持つ切り札は、たった一枚だけ。その切り札が通用しなければそこで終わりだ。
だけど今、それを使って本当に大丈夫なのか。
でも、今でなければもう二度と使えない。
不安に揺れるもう一人の自分を叱咤し、ゆっくりと口を開く。
「根拠はございます。ですがその前に陛下へ一つ、ご確認をしてもよろしいでしょうか」
「確認?」
「はい。――陛下はいつ、わたくしが王太子殿下の暗殺を企んでいると知られたのでしょうか」
「すまぬが、そなたの質問の意図が分からぬ。マーガス王太子暗殺の嫌疑をかけられているのは、クロード・グランハイムと聞き及んでおる」
そう言って王は判決を下す貴族たちに目を向けた。
彼らもまた事態が飲み込めてはいないようだ。小声でいくつかのやりとりを交わし、先程罪状を読み上げた貴族が代表するように答える。
「こちらにも――ロゼリエッタ・カルヴァネス嬢の話は入ってはおりません」
王は頷き、ロゼリエッタに視線を戻す。
