「紅茶に入っていた物質の特定はやはり難しい様子ですか」
「混入していたのが紅茶だからね。飲む前に気がつかれないような薬物なり毒物となると、それなりに腰を据えた調査をしないことには無理だろう」
先週の金曜日、マーガスはシェイドに告げたように来るはずのない差出人を出迎える為の準備を進めた。尻尾を掴ませない相手が仕掛けた罠に飛び込むと同時に、マーガスもまた自らを囮にしたのだ。
そして用意された紅茶を一人で飲む際、わざと手が滑ったふりをしてカップを倒した。自分の手布でさりげなく拭いて染み込ませることも忘れなかった。
疑心暗鬼に陥らせることが目的なだけで最初から何も混入されてはいなかったのか、少なくとも触れることで害を与えるような何かが混入されているわけではないのか。判断を下すにも結果が出ていない状態では何の意味もない。
新しく淹れ直すと慌てた侍女の様子にも不審なところはなかった。
いくらロゼリエッタに罪を着せるつもりだとしても、息のかかった侍女を送り込んで隣国の王太子を毒殺などと簡単にできることではない。
そもそもわざと挑発に乗ったから何も言わずにいたが、レミリアが信頼を置く侍女にお茶の用意をさせればそれだけで計画は立ち行かなくなる。茶葉をすり変えるだけにしても、毒味役がいる可能性だってあるのだ。考えれば考えるほど暗殺を目的とした計画の割には粗が目立つ。
平和ボケした無能な王太子があるいは、と思ったのだろうか。
確かにこんなことで命を落とすような自覚のない王太子ならば、王位を継がない方が国の為になるのかもしれない。
もちろん、マーガスは浅慮な王太子などではなかったが。
「混入していたのが紅茶だからね。飲む前に気がつかれないような薬物なり毒物となると、それなりに腰を据えた調査をしないことには無理だろう」
先週の金曜日、マーガスはシェイドに告げたように来るはずのない差出人を出迎える為の準備を進めた。尻尾を掴ませない相手が仕掛けた罠に飛び込むと同時に、マーガスもまた自らを囮にしたのだ。
そして用意された紅茶を一人で飲む際、わざと手が滑ったふりをしてカップを倒した。自分の手布でさりげなく拭いて染み込ませることも忘れなかった。
疑心暗鬼に陥らせることが目的なだけで最初から何も混入されてはいなかったのか、少なくとも触れることで害を与えるような何かが混入されているわけではないのか。判断を下すにも結果が出ていない状態では何の意味もない。
新しく淹れ直すと慌てた侍女の様子にも不審なところはなかった。
いくらロゼリエッタに罪を着せるつもりだとしても、息のかかった侍女を送り込んで隣国の王太子を毒殺などと簡単にできることではない。
そもそもわざと挑発に乗ったから何も言わずにいたが、レミリアが信頼を置く侍女にお茶の用意をさせればそれだけで計画は立ち行かなくなる。茶葉をすり変えるだけにしても、毒味役がいる可能性だってあるのだ。考えれば考えるほど暗殺を目的とした計画の割には粗が目立つ。
平和ボケした無能な王太子があるいは、と思ったのだろうか。
確かにこんなことで命を落とすような自覚のない王太子ならば、王位を継がない方が国の為になるのかもしれない。
もちろん、マーガスは浅慮な王太子などではなかったが。
