(私、仕事を楽しいと思えているのかしら……?)

レティシアのように笑って仕事をすることはない。ただパソコンの前に座ってひたすら小説を書いていく。ファンレターがたくさん届くが、感情のない自分には何も響かない。

フィオナが考えている間に、レティシアはフィオナの髪をアレンジしていく。髪の分け目をジグザグにされ、こめかみ辺りの髪が集められていく。集まった髪はゴムでやや高めの位置で結ばれ、可愛らしいリボンを結ばれた。

「可愛いハーフアップアレンジの完成〜!!」

レティシアが可愛くできたとはしゃぎ、フィオナに手鏡を渡す。ヘアアレンジなどしたことがなかったフィオナは、鏡に映る自分に少し驚く。アレンジするだけでこんなにも雰囲気が変わるものなのだ。

「みんな、どうかしら?似合ってるでしょ?」

レティシアがフィオナのヘアアレンジの感想をみんなにも求める。レイモンドが優しく微笑んで口を開いた。

「仕事に集中できそうだね。似合ってるよ」