小説家兼特殊捜査チームの一員であるフィオナ・カモミールは、今日も事件の調査に取り掛かる。今日は幼なじみのエヴァン・カランコエとではなく、フリージア・テイラーとサルビア・ホープと調査に出ていた。

「まあ、特殊能力者が三人いれば余裕で時間は解決しちゃうよね」

事件現場についてすぐ、あっという間に真相にたどり着いてしまったことに歩きながらサルビアが笑う。それにフリージアも頷いた。

「最近はあっという間に解決できる事件ばかりだから、正直楽だな。長期にわたる調査は大変だから……」

前を歩く二人が話している様子を眺めながら、フィオナはまだ未解決である黒いバラの花びら事件のことを考えていた。ここ最近はこの事件は起きていない。しかし、過去に起こった事件がどれ一つ解決できていないのは事実だ。

(マーティー・ブラックローズ……。この人物を能力を使っていても見つけられないなんて……。まさか、彼も能力者?それとも能力が効かない人間がいるの?)