座敷のある和食屋さんに

連れて来てくれた。

「·····なにか悩んでいるのですか?」

きっと私の事を心配してくれてる。

「いえ、

本当に仕事が忙しかったんです」

頑なに私は教えなかった。

「私はあなたの

特別な存在にはなれませんか?」

まっすぐと濁りのない瞳で

私を見つめる。

「え·····?」

知らなかった。

いや、気付きたくなかった。