加勢するように土兎たちから足に噛みつかれ、そしてオレリアの放った雷に打たれ、男はその場に倒れる。
アデルも無駄のない動きでどんどん男を追い詰めていて、優勢なのは明らかだ。
そんな周りの状況など気にかけることなく、刺客の男はエミリーへと近づいていく。
アルフォンはエミリーを自分の後ろへと下がらせながら、目の前の男を睨みつけた。
「君たちはいったいなんなんだ」
「その娘を引き渡せ。そうすればすぐに引き上げよう」
「ふざけるな! お前たちなんかにこんな小さな子を渡すわけないだろ!」
拒否したアルフォンの胸ぐらを男は掴み、持ち上げる。
宙ぶらりんの状態に足をバタバタさせながら、アルフォンは男の手を叩いたりして抵抗を試みるが、徐々に顔は苦しげになっていく。
アルフォンを助けようとオレリアが動いたが、玄関の方からなだれ込んできた男たちに行く手を塞がれてしまい動けなくなる。
同様にアデルの方もひとりふたりと人数が増え、優勢だった状況は一気に覆された。
刺客の男はアルフォンを横へと投げ落とし、エミリーを冷たく見下ろす。
「エミリー・メイルランドだな。まさかそんな格好になっていようとは思いもしなかったよ。まんまと見落とすところだった」


