エミリーの葛藤を見てとったのか、オレリアは優しく頭を撫でた。
「レオンの様子を教えるようにテドへ手紙を送ってみようか。返事が来るまで私たちは私たちのできることをしよう。フィデルを通してレオンから魔法薬と、初等部の生徒用に魔導具のアクセサリーが欲しいと注文が入ったよ。浄化効果を付与した魔石を付けてくれと」
武器を持つことが避けられないなら凶暴化した獣を寄せ付けないようすればいいと策を講じたのだと分かり、エミリーは力強く「わかったわ」と頷いた。
早速エミリーは動き出す。自分の部屋に戻って、机の引き出しにレオンからの手紙を大切にしまって、オレリアの元へ舞い戻る。
受け取った注文書を確認しつつ、「まずは回復薬から取り掛かろうかしら」と調合室に置いてある自分用の小さなカゴを手に取る。
玄関先で会ったアデルに薬草庫に行くと話せば「お手伝いします」とそのまま一緒に屋敷を出ることに。
店に入り、いつものように受け付け横を通って奥へと進もうとしたが、途中でアデルに腕を掴まれ引き止められた。
険しい表情にどうしたのかと疑問を抱くも、受け付け前でアルフォンと立ち話をしていた大きな男が振り返り、目が合った瞬間ハッと息をのむ。


