通りを並んで歩きながら「何を食べたいか」とレオンに聞かれ、「ターキーのお肉と野菜がたっぷり挟まったサンドイッチ!」とエミリーは即答する。
オレリアの店の前の道を進んでいくと、噴水のある広場へと出る。
そこにあるお店にターキーのサンドイッチが売っていて、以前に一度だけふたりで食べに行ったことがあるのだ。
男の子とふたりっきりなんてエミリーにとっては初めての経験で、ドキドキしながら食べ進めた甘酸っぱい思い出である。
サンドイッチを二つ購入し、屋外の噴水が良く見える場所にあるテーブルベンチに向かい合って座る。
「この味、懐かしいな、美味い」と微笑むレオンに、エミリーも「美味しいね!」と小さな口でサンドイッチに懸命にかぶりつく。
共に過ごせるこの時間に幸せを感じていると、近づいてくるふたりの女性に気づき、エミリーは何かしらと小さく首をかしげた。
派手目な女性たちがエミリーをちらりと見ながら、「妹さんとっても可愛いですね」と気軽な様子でレオンに話しかけてきた。
そして自分たちにレオンの目が向けられると、「お兄さんもとっても格好いい」と頬を赤らめて、そっと彼との距離を詰める。


