エミリーは無意識に自分の小さな両手に視線を落とす。
確かに子供になってから、自分の能力が高まったのは感じている。
この力をこれからどう使うべきなのだろうと、出口の見つからない森へ踏み込んでしまった気持ちになる。
「エミリーはどうするかしっかり考えな。ロレッタや聖女院と関わりたくないと言うなら国外に出るのを手伝うし、ロレッタに立ち向かうというなら私も過去の仕返しをするとしようかな。そうだねぇ……聖女院を乗っ取るってのも面白いかもしれないね」
不穏な台詞を楽しそうに口にするオレリアにエミリーは思わず苦笑いするが、カルバード学長が院長を務め続けるよりも、オレリアが率いた方が何倍も素晴らしい組織になるのではとつい考えてしまう。
「エミリー、それじゃあ俺と一緒に放浪するのはどうだ?」
「お前さんは早くモースリーに戻るべきだ。それでも一応王子なんだし」
レオンの提案はエミリーにとってとても魅力的で大賛成だが、オレリアの言葉も一理ある。
王子の身に何かあったらと国王夫妻も心配しておられるだろう。
オレリアは土兎を抱っこしながらよいしょと椅子から立ち上がった。


