エミリーは僅かに唇を引き結び、どこから話すべきかと頭を悩ませ、大聖樹を観に行ったあの日の夜、寮の部屋に忍び込んだ刺客の男の話から始める。
そして窃盗と国王陛下を騙した罪でロレッタに断罪され、国外へ連行される途中で再び刺客の襲撃に遭った所まで話し終えると、難しい顔で聞いていたレオンが「母上のブレスレットか」と深くため息をつく。
「私は盗んでないわ! お願い信じて」
「分かってる。なんせ俺はあの時、裏庭に入ってから出ていくまでずっとエミリーのことを見てたから。もしエミリーが怪しい動きをしていれば、俺が止めて注意してる」
ずっと見ていたのと恥ずかしくなるも、そのお陰で疑われずに済んだことに感謝の念を覚える。
ホッとしたのも束の間、他にも誤解を解きたい人がいたのをエミリーは思い出す。
「お妃様も怒っていらっしゃるのでしょう? 誤解が解けると良いのだけれど」
「確かに母上が怒っているという話が出回っているが、実際は違う。簡単に手の届くところに飾っておいた私も悪いし、反省しているなら罪には問わないわって、本人はのほほんと笑ってたぞ」
「そ、それじゃあ、お父様の爵位剥奪の話は」
「あるわけないだろ」


