「大丈夫か?」
タオルをそっとエミリーの額に押し当てる。自分を見下ろす真摯な眼差しに、エミリーは口元に笑みを浮かべる。
「すみません。ありがとうございます」
「さっきのは……その、つまり……エミリー本人なのか?」
エミリーはゆっくりと身を起こしてレオンと向き合い、覚悟を決めて口を開く。
「はい、私はエミリー・メイルランドです。色々あって子供の姿になってしまったけど、本当はまだちゃんとこうして生きてる。黙っていてごめんなさい」
ひどく困惑しているレオンの袖をエミリーはわずかに引っ張った後、床に置いたままの蝶の髪飾りを指さした。
「覚えてる? あなたが私にくれたものよ。この髪飾りは身に着けていたから、私と一緒に生き延びたわ」
私が私である証拠になればと願いながら、エミリーは信じて欲しくて真摯に告げる。
黙ったままのレオンを見つめて、不信感を持たれて怒らせてしまったかもしれないと不安になるが、そんな思いはすぐに吹き飛ぶ。
エミリーはレオンに優しく引き寄せられ、逞しい腕できつく抱きしめられた。
「……良かった」
耳もとで囁かれた声は震えていて、エミリーの目に涙が浮かぶ。


