「あれ?」
さっきまでまったく異常はなかったというのに、急に体が熱くなり、視界もぐにゃりと歪みだす。
体の節々が痛い。床に両手をついて、瞳を閉じる。呼吸が荒くなり、体の中で響く鼓動を強く感じ取る。
ズキっと痛みが走って右手でこめかみを押さえれば、額には汗が滲み出ている。
そっと目を閉じて、私どうしちゃったのと熱い頭で考えていると、ビリッと布の裂ける小さな音が聞こえた。
一拍置いて違和感を覚え、ゆっくりと目を開けた後、僅かに身をのけぞらせる。
こめかみを押さえている手が大きい。
慌てて自分の体を確認すれば、胸も大きくなり下着のキャミソールも今にもはち切れそうな状態。
腕も足も長く、「元に戻った!?」と発した声にもついさっきまでの幼さはない。
蝶の髪飾りを床に置き、きついキャミソールを脱ぎ捨てて、ベッドの上にあるブランケットを掴み取る。
大きく広げたそれで纏うように自分の体を包み込んで鏡台の前へ舞い戻り、「やっぱり戻ってる!」と歓喜の声をあげた。
気持ちが昂ったからか再び目眩に襲われ足元がふらついた瞬間、コンコンと扉が叩かれる。
「エミリー、入るぞ。タオルをもらってきたぞ。風呂の準備も頼んでおいたから……」


