突然どうしたのかしらと怪訝そうにオレリアを見つめるエミリーと、何かを察して苦笑いするレオン。
オレリアはまるでレオンがそこにいたことを初めて気付いたかのように、彼を見て「おや」と表情を明るくさせる。
「暇な男がいるじゃないか。泊めてやった恩を返してもらおう」
「言うと思った。わかった付き合おう。俺がエミリーの護衛だ」
「ご、護衛だなんて本当に良いの?」
昨日、護衛してくれると彼は確かに言ったが、何せレオンは第二王子だ。
本来なら護衛されるべき立場の相手に守ってもらうなんてと、エミリーは申し訳なくなる。
「エミリーと一緒なら良い気晴らしになりそうだし、俺も乗り気だから気にする必要はない」
「ありがとうレオン様。よろしくお願いします!」
エミリーとレオンが手早く朝食を済ませると、オレリアがレオンに地図で場所を説明し、管理している庭へと入る鍵をエミリーへ手渡す。
それからオレリアは「管理人のジーンに私の代わりの者が行くと連絡を入れておかなくちゃね」と一足先に魔導鳥を飛ばした。
エミリーはお気に入りのポシェットに鍵を入れて斜め掛けし、レオンと同じように外套をまとう。


