オレリアはレオンをチラリと見て「レオンが護衛なら心強いじゃないか」とにやり笑う。
護衛ならアデルも適任だけれど、実際マルシェや市場で絡んできた男たちから助けてもらっているからか、レオンの存在は確かに心強いとエミリーは納得する。
しかし、頼ってばかりも心苦しい。
自分で自分の身を守れたらと考えながら、エミリーはレオンが首から下げている自分がプレゼントした魔石に目を止める。
「レオン様のその首飾りみたいに浄化効果を付与した魔石を持ち歩けば、ああいった凶暴化した獣は近づいてこないかしら」
エミリーの考えに、オレリアとレオンと目を大きくさせる。オレリアは一拍置いて「それは有りだね!」と声を弾ませた。
「浄化効果なら非契約型の魔導具として作れるね。魔物との接触を減らす効果があると謳えば、冒険者や一般人がお守り代わりに購入するかもしれない。凶暴化した獣が多くなってきたことだし、売れるね!」
「……え、ちょっと待って。可能なら私が欲しいなって程度だから、話を一気に大きくしないで」
「タイミング良く騎士団から注文が入ったところだ。試作品を一緒に送りつける事にしよう。うまくいけば追加で注文が入るかも。エミリー、明日から忙しくなるよ!」


