花嫁も大聖女も、謹んでお断り申し上げます!


本人が子供の姿になったのだから、似ていると思われても無理はない。

本当は生きているのと彼に正直に打ち明けてはダメだろうか。

湧き上がってきた気持ちを、エミリーはぐっと堪え、きっと勝手な行動は取らない方がいい、オレリアに相談して決めた方がいいと自分を無理やり納得させる。


「お兄ちゃんは、オレリアに会いに行く?」

「あぁ。できたら今夜、家に泊めてもらいたくて」

「お泊まりしたいのね! それなら私もオレリアに頼んであげる。一緒に行こう!」


エミリーは再びしっかりとポシェットを斜め掛けして、種などが入った袋を取りに駆け出す。

そしてアデルも置き去りにした箱を慌てて取りに行き、エミリーと共にレオンの所に舞い戻った。

早く帰りましょうと目を輝かせて訴えかけてくるエミリーにレオンはふっと柔らかな笑みを浮かべた。


「わかった。一緒に頼んでくれ。頼りにしているよエミリー」

「任せて!」


エミリーはレオンの隣を、その後ろにアデルが続く形で、三人はゆっくりと歩きだす。

途中で自分の外套を掴んで離さないエミリーを見て、レオンはエミリーの荷物を「持ってあげるよ」と右手で掴み取り、そっと左手を差し出す。