花嫁も大聖女も、謹んでお断り申し上げます!



「あぁ。その代わりアデルのそばを離れちゃダメだよ。本当は実家へ連れて行ってあげたいところだけれど、それはもう少し様子を見てからの方が良いだろう」


途端、顔を輝かせ、「何を買おうかしら」と顔を輝かせてそわそわし始めたエミリーへとオレリアは優しく笑いかけ、あの時使用したものと同じ契約プレートを自分の手元に置く。


「私、オレリア・リングハットはエミリー・メイルランドとの契約をここに破棄する」


契約プレートにオレリアが手をかざすと真っ赤な魔石が反応する。やがて、オレリアのサインが光輝き、消えていった。

次はエミリーの番だと契約プレートを渡される。

子供になってしまったけれど認識してくれるかしらと不安を覚えながら手をかざす。

「破棄します」と告げるとすぐに魔石が輝き、エミリーのサインも消えていった。

最後に固く結ばれていた硬貨袋の紐をエミリーが解くことで、契約は完全に破棄される。


「……さっきの買い取り金より重いわ」


彼からもらった金貨袋を抱え持ってエミリーはぽつりと呟く。


「そりゃそうさ。24000エネル入っているんだから」

「彼から貰いすぎよね。やっぱり返したいわ」