騎士団員から手渡された布袋の中から団長が取り出したのは、赤い宝石が散りばめられたブレスレット。
もちろんそれはエミリーにとって初めて目にするもの。どうしてこんなものが私のクローゼットの中にと動揺が広がる。
「そんな物、私知りません!」
「あなたのクローゼットから出てきた物だ。知らない訳がないだろう」
騎士団長はそう吐き捨て、部下に目配せした。
すると、騎士団員の片割れが歩み寄り、抵抗するエミリーを後ろ手にロープで縛り上げる。
「やめてっ、私じゃない! 知らないって言ってるでしょ!」
続けて近づいてきた団長も、自分を睨みつけてくるエミリーを見下ろし、ニヤリと笑って告げる。
「あなたには他にも嫌疑がかけられている。同行願おう」
他にも疑われているだなんていったいどういうことと、エミリーは顔を青ざめさせた。罠に嵌められてしまったかのような嫌な予感に、ざわりと寒気が走る。
「連れて行け」という団長のひと言で騎士団員に前へと押し出され、エミリーはよろけながらも歩くことを余儀なくされる。
廊下へ連れ出されれば、たくさんの生徒の視線が一斉にエミリーへ突き刺さる。
ついさっきまで親しくしていたクラスメイトでさえ嫌悪感に満ちた顔で自分を見ていて、エミリーは悲しくて堪らなくなる。


